FSH(卵胞刺激ホルモン)は正常値、LH(黄体形成ホルモン)は高値を示す。
そのためには、LH/FSH = 1以上
アンドロゲン(男性ホルモン)の高値
卵胞ホルモンの高値
卵巣の腫大
卵巣の白膜肥厚
ネックレスサイン(卵巣内に10mmに満たないような小卵胞が数珠状に多数存在している)
基礎体温の低温期が高い、低温期が長い、そのため生理周期が長い、重症化すると稀月経 、無排卵、無月経となってきます。
① 軽度な多嚢胞性卵巣の基礎体温

やや肥満傾向の方に多いと思います。肥満になるとその脂肪からアンドロゲンという男性ホルモンが多く作られるようになります。
このアンドロゲン(男性ホルモン)には、卵胞の発育を低下させる作用があるのです。
また多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の多くの方は、インスリン抵抗性であることも多いのです(インスリン抵抗性とはインスリンが効きにくいということ)。
インスリンは血糖値が高い時に血糖値を下げるために出ます。しかしインスリン抵抗性があるとインスリンを出しても効かず、血糖値は高いままになります。
そうすると、血糖値を下げようとさらにインスリンが出て高インスリン血症となってしまいます。高インスリン血症は黄体形成ホルモン(LH)の感受性を上げる作用があるのです。結果通常よりも黄体形成ホルモン(LH)が強く働くことになります。
黄体形成ホルモン(LH)の働きには男性ホルモン(アンドロゲン)の生成促進の作用があります。結果として男性ホルモン(アンドロゲン)がたくさん出来ることになるのです。
男性ホルモン(アンドロゲン)は卵胞の発育抑制する働きがあるのです。
PCOSの患者さんは、排卵誘発剤を使用すると卵巣過剰刺激症候群(OHSS)という症状を起こしやすいので注意が必要です。また、直接の原因ではないのですが、患者さんの 1~3割の方は高プロラクチン血症を併発しています。その場合、排卵誘発剤の効果が出にくい傾向があります。
漢方の立場からPCOSを考えると、ベースとしてあるのが「瘀血(おけつ)」(血流の滞り)です。瘀血に、ほかの要因が結びついて発症している場合が多いと感じます。ストレスや寝不足による脳からのホルモン分泌の不調も多く、漢方薬にてそれらを変えるよう心がけています。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)での妊娠成功例
食生活の見直しを、低温期と高温期に分けて細かくアドバイス。それらを実践された彼女の頑張りが、基礎体温を見ていて明らかにわかりました。漢方スチームで、子宮内膜の安定だけでなく、気の巡りを良くすることができ、体調も整ったと思います。
基本的に夜は眠れない、甘いものが多く、体全体が疲れやすく、下半身の浮腫、冷えはかなりでした。多嚢胞性卵巣症は血糖値が高く、漢方の考えでは湿濁が原因になるので、食事のバランスに気をつけて頂きました。基本的には血行が悪く、甘いものが好き、夜更かしの蓄積が原因になるケースが見受けられます。
きっちり基礎体温を測っていない自分も悪かったとおっしゃっていました。体質的に血が不足するタイプ、胃腸も強くなく、漢方薬もその辺りを気にかけながら処方しました。